ホームへ

ペルチェ冷蔵庫の自作。電池駆動でコンセント不要のクーラーボックスにも

ペルチェキットとクーラーボックスで冷蔵庫を作る

このページでは、ペルチェとクーラーボックスを組み合わせた冷蔵庫の作り方を解説します。

電池駆動にする必要がないなら、完成品を買ったほうが安いですが、そこはそれ。
作る楽しさと、自分で触るからわかることがあるんです。

純粋に簡易冷蔵庫が欲しい方は完成品を買いましょう。ペルチェを使った簡易冷蔵庫P24DCなら、実売9,500円程度と作るより安いです。この製品は車のシガーソケットから電気をとりますが、P24DCを通常のコンセントにつなぐためのアダプタ(MPA-5012)も4,000円程度で買えます。

電池駆動の冷蔵庫が欲しい場合は作るしかないですね。

ペルチェ冷蔵庫

P24DC

作るより安い・・・

冷蔵庫用ACアダプタ

MPA-5012

コンセント接続用

OCE-KT3とペルチェ冷蔵庫の自作キットを使う

では、キットを使った作り方です。
まずはOCE-KT3用の保冷庫キットを使う場合。

これが一番簡単です。500mlのペットボトルを寝かせた状態で2本入る程度の容量です(保冷庫キットのサイズ詳細)。

使うもの

ペルチェキットのOCE-KT3。これで冷熱を作ります。キットについて、詳しくは「ペルチェ製品比較」をご覧ください。

OCE-KT3 販売ページへ

OCE-KT3向けの冷蔵庫自作キット。発泡スチロールの箱(幅297x奥行178mmx高さ110mm)と冷熱を放熱するためのフィン、フィンを冷却面につけるためのビス、箱に取り付け穴を開けるためのカット台紙のセットです。

簡易保冷庫キット 販売ページへ

熱伝導効率を高くするためのグリス。ペルチェキットの組み立て時と、ペルチェキットに冷蔵庫用のフィンを取り付ける時に使うことで、冷却能力を高めることができます。メーカー公表値では使用時の冷却能力は1.5倍!

熱伝導グリス 販売ページへ

コンセント不要のクーラーボックスを作る場合に。
OCE-KT3に角電池をつなげるための、電池スナップ付DCプラグ(極性・センタープラス)。OCE-KT3の電圧、電流は角電池1個とちょうど合うので、これをつなげて角電池を付ければO.K。

DCプラグ 販売ページへ

コンセント不要のクーラーボックスを作る場合に。

角電池は9Vのうえ約0.9AなのでOCE-KT3にちょうどいいです。その中でもDURACELL PROCELLは最後まで安定して9Vを保つ貴重な電池。お勧めです。

DURACELL PROCELL 9V 販売ページへ

ペルチェ冷蔵庫・クーラーボックスの作り方

  1. ペルチェキット(OCE-KT3)を組み立てる。10分~15分ほどでできます
  2. 簡易保冷庫に付属するフィンをペルチェキットに接続
    フィン接続
  3. カット台紙を使い保冷庫に穴を開ける
    穴加工
  4. 穴にペルチェキットを差し込む
    ペルチェ接続
  5. 付属ACアダプタをペルチェキットにつなげて完成
    ACアダプタ接続
  6. クーラーボックスにする場合は、電池スナップ付DCプラグのスナップに角電池を接続。
    電池スナップ接続
  7. 電池スナップ付DCプラグをペルチェキットにつなげます。念のためテープなどで電池を保冷庫に固定しましょう。
    完成

電源投入後、1時間ほどで内部気温は約10℃下がります。容量は500mlペットボトル2本ほど。

より強力・より大型の冷蔵庫を作る

もっと大きな冷蔵庫を作りたい、もっと冷却能力を高めたいなら強力なペルチェキット、DT-1206を使いましょう。

でも、こちらはキットが無いうえに、適合するフィンが無いので大変です。

強力なペルチェキット。詳しくは「ペルチェ製品比較」をご覧ください。

OCE-KT3より10℃ほど冷却能力が強いです。

DT-1206 販売ページへ

発砲スチロールボックスといえばCAPTAIN STAG。もう一般常識(?)です。厚みがある上に硬くて丈夫。使いやすいです。幅320×奥行260×高さ230mm。500mlペットボトルを寝かせて5本*、500ml缶なら立たせて8*本入ります。(*ペルチェキット無の場合で。)

発砲クーラーボックス8L 販売ページへ

冷却面のサイズが70mm角なので、それより一回り大きいヒートシンクを使います。今回は横100mmx縦100mmx高さ25mmを選びました。高さがありすぎると冷蔵庫の容量が小さくなってしまいます。

大型ヒートシンク 販売ページへ

冷却面とヒートシンクをつなげるための熱伝導両面テープです。冷却面にネジ穴があるのですが、M4で四方に60mm。この条件に合うネジ穴があるヒートシンクはありません。ドリルでねじ穴をあけられるならそれが一番ですが、穴あけ加工が難しい場合はこの熱伝導両面テープ。熱伝導率は1.3W/m・kと高効率。接着力も1.3kg/インチと申し分ありません。

Tuloka熱伝導テープ 販売ページへ

両面テープはしばらく強く圧着し続けたほうが、接着が強くなります。組み立て直後はクランプでしっかり締め付けておきましょう。1週間もすればクランプなしでも外れなくなります。

クラフトクランプ CC-2 販売ページへ

電池駆動は難しいです。不可能ではありませんが。単三電池を10本直列で12V。これを二つ並列でつなげると4~5.4Aとれます。なので、ケースは2つ、電池は合計20本。アルカリ乾電池なら8本x2の16本でもいけますが、この数だと充電池の方が経済的です。(2セットの並列繋ぎは自分で加工する必要があります)

単三乾電池10本用 バッテリーケース 販売ページへ

作り方

  1. ヒートシンクのサイズに合わせた型紙を作ります。上で紹介したとおりなら100mmx100mmですね。
  2. 発泡スチロールボックスの上面に1.で作った型紙をあて、カッターで穴を開けます。ペルチェキットが大きいので側面はやめましょう。
  3. ペルチェキットの冷却面に熱伝導両面テープを貼ります。両面テープは冷却面にあわせて70mmの正方形にカットしてから使いましょう。
  4. ペルチェキットとヒートシンクを張り合わせます。これだけでは弱いので、次の工程で圧力+時間をかけてしっかり接着します。
  5. ペルチェキットとヒートシンクをクランプで挟み込み、しっかり締めて圧着します。
  6. 1週間ほど圧着させておきましょう。
  7. 穴にヒートシンクを差し込んで完成。
上に